よもぎの特徴と摘む時期。よもぎと間違えやすい草

蓬の新芽
お菓子作りやお料理によく使われるよもぎは 実は とても身近な雑草です。

もしかしたら 道端や近所の空き地、堤防などで見かけることがあるかもしれません。

今回はよもぎの見分け方や よもぎの摘み方、時期。よもぎの季節ごとの成長の仕方。類似している毒草などについてまとめてみました。

よもぎの特徴

よもぎはキク科ヨモギ属の多年草。別名モチグサ。
よもぎは 昔から体調管理や薬の代わりと使われてきました。また 踏まれても踏まれても枯れない逞しさから「厄を払う」という意味で

・ひな祭りや端午の節句の食事に草餅を添えることがあります

・ひな祭りで飾る菱餅の三色(ピンク・白・緑)の緑の部分はよもぎを練り込んだお餅です

・端午の節句の菖蒲湯セットは 菖蒲とよもぎがセットになっていることが多い
⇒⇒菖蒲湯についての記事

など 春のお祝いの時に よく利用されます。
 

また よもぎは

・お灸の材料
・よもぎ茶
・よもぎ風呂

にも使われます。
よもぎの名前の由来は「よく燃える草」からだという説があります。
 

まず 一年を通したよもぎの成長の仕方とよもぎの特徴についてお話しますね。

よもぎの成長の仕方

1月のよもぎ
よもぎを摘むのは2月~5月の芽が出たばかりの頃が最適です。九州では年末からよもぎの芽を見かけます。寒い間は 大きくならずに小さな芽のまま冬越しをします。

よもぎは 一本だけではえるのではなく 団体ではえてきます。 

5月のよもぎ
よもぎは暖かくなると グングンと伸びていきます
茎も太く木のようになり しっかりと真っ直ぐにのびています。

 

9月のよもぎ
夏が終わるころに よもぎは1メートルほどに成長して蕾をつけます。
雑草畑
蕾をつけたよもぎよもぎの蕾
 

そして9月から10月にかけて よもぎは とても地味な花を咲かせます。


よもぎの花
この花の花粉は 秋の花粉症の原因にも挙げられています。
 

その後 秋になると よもぎもだんだんと枯れてきます。
 

12月のよもぎ
夏の間元気に育って1メートルほどに伸びたヨモギは 冬になると枯れて倒れてしまいます。けれどよもぎは多年草です。根っこは生きています。(日当たりのいい場所なら 枯れずに年を越すこともあります)

そして 枯れてしまったよもぎの隙間からは 翌年大きくなる予定の小さな芽が顔をのぞかせます。よもぎはこの小さな苗の状態で冬を越します。

よもぎの葉の特徴

庭の小さなよもぎを摘んできました。

地上から5㎝ほど。このくらいの大きさのものが 天ぷらやお菓子作りにはちょうどいい大きさになります。
 

よもぎの葉っぱの形は 菊の葉っぱのように切れ込みが深くはいります。この形は生える地域によって 少し差があるという事です。

よもぎかどうか見分けるには

・春菊に似た 癖のあるニオイ
・葉っぱの裏が白っぽい

のふたつをチェックするのが簡単です。
 

よもぎの葉っぱの表はこんなきれいなグリーンですが

 

裏側はシルバーカラー。
細かく白い産毛に覆われています。

 

茎の部分にも ほんのりと白い産毛があります。


よもぎ摘みの時期

次に よもぎを収穫する時期についてお話しますね。

例えば

・よもぎ茶にする
・よもぎ風呂に利用する

などの場合でしたら一年中 よもぎを利用することができます。よもぎ茶のおすすめは6月~8月ごろ。60~80cmくらいのものを根元から刈って干して使います。花が咲くと虫が付きやすくなるので 花が咲く前に刈り取ったほうがいいです。
 

・よもぎの天ぷら
・よもぎのお浸し
・味噌汁の具
・よもぎの冷凍保存

に使うなら 2月ごろから5月くらいまで。地上から5㎝ほど伸びているものを摘むようにします。特に早春の若くて柔らかく苦みも少ないよもぎはお菓子作りやお料理に最適です。ふきのとうなどの山菜類の旬も2月~3月ごろなので 何種類かを一緒に天ぷらにして盛り合わせると夕食の一品になります。また この時期のよもぎを茹でて冷凍しておくと 一年中使えます。冷凍するときは小分けにしておくと便利です。
 

・草餅(よもぎ餅)
・よもぎクッキー
・よもぎパン

こちらも基本的には 2月~5月の柔らかいよもぎを摘んで使います。

それ以外の時期に摘むときは 先端の柔らかい葉を少しだけをつまんで使うようにしてください。よもぎは秋になると枯れてしまいますので お菓子作りなどには使えなくなります。摘む時期は10月くらいまでです。

よもぎと間違えやすい草

一般的に よもぎと間違えやすいといわれているのが

・オトコヨモギ
・トリカブト
・ドクゼリ
・キツネノボタンなど
・ブタクサ

などです。

それぞれの特徴をまとめておきます。

オトコヨモギ
キク科ヨモギ属。
オトコヨモギは よもぎと同じような場所に生えてきます。たたずまいや花の感じも良く似ています。見分けるポイントは葉っぱです。形がヘラ状のものが多いとなっています。⇒オトコヨモギの葉の形(Google)
でも このオトコヨモギ 変種が多いことでも知られていますので、葉っぱの形で見分けるは難しいかもしれません。

なので 決めては香りと色。オトコヨモギには春菊のような香りはなく、葉っぱの裏側の産毛もありません。

 

トリカブト
猛毒で知られるトリカブト(キンポウゲ科トリカブト属)。秋にきれいな青紫の花を咲かせます。

トリカブトには園芸種のものもあり 花色は他にも白やピンクのものもあります。

 

ドクゼリ
キク科ドクゼリ属。
初夏に白い花を咲かせます。

トリカブトと同じくらいの猛毒があります。

 

キツネノボタンなど
食べると消化器系に影響するキツネノボタン・ウマノアシガタ・タガラシ(いずれもキンポウゲ科キンポウゲ属)は春から初夏にかけて黄色く小さなかわいい花を咲かせます。

いずれも 若芽の頃にヨモギと間違えやすいといわれています。

キンポウゲの仲間は葉に細かい毛がはえているものもあります。ヨモギと区別をつけるときは香りと葉の裏側の色を確認してください。

 

ブタクサ
キク科ブタクサ属。
秋の花粉症の原因になっていることで有名ですね。

ブタクサとよもぎは葉っぱや花の感じがとても似ています。

見分け方は上の雑草と同じで香りと葉の色です。

上の草には どれも よもぎの特徴の「春菊のようなにおい」「葉っぱの裏側に白い産毛がある」という特徴はありません。

なので

・春菊に似た 癖のあるニオイ
・葉っぱの裏が白っぽい

かどうかをしっかりと確認すれば大丈夫です。

おわりに

道端で普通に見かけるよもぎの葉っぱ。
でも ホントによもぎかどうか自信がない場合は「食べない」選択をする方がいいと思います。

そして 一年間 観察をしてみてください。

よもぎの葉っぱは独特のにおい。
葉っぱの裏の色は白色です。
秋になると地味~な花が咲きます。

そして一年が終わるころには 地上部が枯れて 根元から 新しい芽が出てきます。

根っこが残りますので毎年必ず 同じような場所に大量に繁殖します。

これは 他の野草でも同じことで 品種が特定できない場合は一年観察してみると はっきりと「それが何なのか」がわかります。

観察を楽しみながら 春の味覚も味わってみてください。

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